林経協の政策提言

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森林整備地域活動支援交付金について(要望)

林野庁林政部長 殿

平成17年12月20日
(社)日本林業経営者協会 会長 古河久純
日本林業同友会 会長 海瀬亀太郎

森林整備地域活動支援交付金について

平成14年度から実施されている森林整備地域活動支援交付金制度については、森林管理経費等への支援措置として、林業経営にとっての有効な施策であると考えております。ところで、林野庁では18年度末までのこの制度の後継対策を探るための検討会を発足させておりますが、制度発足当初、当協会では林野庁に対して、この制度の見直しや運用の改善を申し入れております。

その際、今後の制度見直しの時点で実施の状況と併せて検討したい旨のお話をいただいております。つきましては、この間の実施状況や政策提言を踏まえ、次のことをご検討いただくよう要望します。



1. 制度の基本的な見直し

長伐期に向けて持続可能な森林経営を奨励する交付金制度へ換するよう制度の基本的な見直しをして頂きたい。

具体的には、森林経営の自立と環境貢献を高める誘導策として、持続可能な森林管理を約束し一定レベルの経営計画の認定を受けた個人・法人の経営体や経営受託を行う森林組合等を対象にして、現行の交付金の対象作業範囲を森林整備全体に拡大し、森林の内容や施業方法、規模の状況等に応じて、必要となる経費を一括して直接支払う交付金方式へ転換をして頂きたい。

このことは、少ないコストで高い効果を実現するための施業技術の開発や経営手法の改善を促進し、経営体の自立性発揮とイノベーションを促すことにもつながります。


2. 制度の趣旨・運用の改善

平成14年2月の申し入れ(別紙)に加え、市町村は財政負担部分があることや事務量が増大することを理由に、
① 制度に該当しても一部の面積しか協定を結ばない
② 村外所有者とは協定を締結しない
③ 森林施業計画を委託した森林以外は協定の対象としない
という事例が見受けられます。

経営体と市町村との直接協定の原則を確立するとともに、経営体に対する公平な取扱いが確保される仕組みにして頂きたい。

 


 
(別紙) 森林整備地域活動支援交付金について(要望)


平成14年2月14日
(社)日本林業経営者協会
会長 古河久純

 

平成14年度の政府予算案では、森林の現況調査や施業実施区域の明確化作業、歩道の補修等についての必要最小限の経費のうちの一定額を交付する制度が設けられることとなっております。

林業経営が極めて厳しい状況にある中で、適正な森林施業のために不可欠なこれら作業が新規の行政施策として採択されたことを喜んでおります。

当協会としては、初年度からこの制度が森林所有者の中に円滑に定着するとともに、来年度以降、この制度の内容がさらに改善されて実施されることを心から期待しているところです。このために、以下のことについて要請しますのでよろしくご検討をお願いします。



(1)交付金は、市町村長との協定に基づいて森林施業計画作成者に交付されることになっているので、この制度の速やかな実施について、森林所有者側からの要請はもとよりですが、市町村や対象となる森林施業計画作成者に対し、この制度の周知を速やかに行うよう都道府県への指導を実施して頂きたい。

(2)森林施業計画を作成しこれを実行する者にとって、基本となる作業が対象であることから、協定内容や実行確認などの通達の作成に当たっては、徹底した簡素化を旨とされたい。

(3)対象私有林から中小企業以外の企業が所有する森林が除外されているが、森林・林業基本法に定められた森林所有者の責務は共通しているものであり、また、対象作業は経営規模や経営形態の違いにかかわるものではないので、持続可能な経営を目指す意欲ある事業体の森林はすべてこの制度の対象とされたい。

なお、規模の大小ではなく、森林の整備活動に対応した施策としての投入は、新たな機能区分の推進と市町村整備計画の円滑な実施に欠かせないところであり、林業活性化のための流域での協調した取り組みや地域林業の形成のためにも不可欠であると考えられる。

(4)長伐期施業や育成天然林施業など経営目的により、保育や間伐などの作業年が高齢化しているので、森林施業計画で予定されている作業については、齢級にかかわらずに対象とされたい。

(5)適正な森林の保護管理に必要な作業に即して、交付金の額の改善を図られたい。

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