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2020年東京オリンピック・パラリンピック関連施設に
木材を積極的に活用することへの提言

この『2020年東京オリンピック・パラリンピック関連施設に木材を積極的に活用することへの提言』は、林業経営者協会・榎本長治会長及び慶応義塾大学・米田雅子特任教授が連名で提出し要請しました。
 

内閣官房オリンピック・パラリンピック東京大会推進室室長 平田竹男様
並びに東京都知事 舛添要一様


平成26年2月20日
(一社)日本林業経営者協会 会長 榎本長治
慶応義塾大学特任教授 米田雅子


2020年東京オリンピック・パラリンピック関連施設に
木材を積極的に活用することへの提言


日本林業経営者協会及び慶応義塾大学米田雅子は、2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催が日本全体を元気にさせるとともに、外国からの選手、来訪者の方々を日本の伝統・文化をベースにした最適な環境でお迎えし、我が国のおもてなしの精神を十分に感じて頂くために、選手村、競技施設などの建設及び関連工事について、施設の木造化、施設の内装・外装への木材利用(木質化)、木製家具や木製備品等の利用、外構や地盤改良等のインフラ整備等への木材利用を積極的に進めることを提言致します。

 

《提言内容》
選手村・競技施設などに国産材等の木材を積極的に活用すること


《提言理由》
1、 選手に最適な競技環境や滞在環境を提供する
木材は調湿性や防音性に優れており、木造施設は湿気の多い夏期の日本においては最適な施設と言えます。例えば、木質空間は人の健康や心理面によい影響を与えるという研究報告もあり、選手村の施設を木造化・木質化することで、滞在期間中の選手にリラックスできる空間を提供することや、競技施設の木質化を進めることで集中力を高め最高のパフォーマンスを引き出すことに貢献できます。

 

2、 日本の伝統・文化でのおもてなしを演出する
伊勢神宮や法隆寺に代表されるように木造建築は日本の伝統・文化の象徴です。選手村や競技施設を国産材等で木造化・木質化して和の空間を演出することは、選手や外国からの来訪者へのおもてなしばかりでなく、会場を訪れる多くの日本国民にも日本の伝統や文化を再認識させる良い機会になります。また、和の空間とは和風だけに留まらず、オリンピック憲章に謳われている調和、平和等に通じる空間作りに自然と人間活動の調和のもとに育てられた木材は最適です。

 

3、 東京オリンピック・パラリンピックの開催を日本の活力創造に結びつける
東京オリンピック・パラリンピックの開催を東京及びその周辺のみの祭典にするのではなく、東日本大震災からの復興への弾みとすることや日本全体の活力創造に結びつけることが重要です。木材の加工は地方で関わる人が多い裾野の広い産業であり、選手村・競技施設などに大量の国産材、特に無垢材を使用することは、地方の林業・木材産業を活性化することにつながり、全国の森林の整備や山村などの地域経済の再生に貢献します。

 

4、 地球環境にやさしい日本の技術力を海外に示す
大気中の二酸化炭素を光合成で取り込んだ木材はカーボン・ニュートラルであり、木造建築物を建てることは都会に森を作ることと同じです。また、製品に加工する際の消費エネルギーも少なく再利用が可能で環境にやさしい素材であるとともに、木材を廃棄した場合も、紙製品やエネルギー利用などへカスケード利用ができます。近年、地球環境への配慮などで欧米では大型の木造建築物が建てられており、選手村や競技施設の一部を木造施設とすることや外構等の木材利用で、環境にやさしい日本の技術力を海外に示すことができます。

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