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林経協の活動方針

林経協では、持続可能で環境保全に配慮された森林の管理・経営を推進し、日本の森林・林業の発展・農山村の活性化に寄与することを目的として、森林政策等についての提言とそれを実現させるための運動、調査研究、経営講座の開催、国内外への調査研修、機関誌(林経協季報『杣径』)や書籍の発行などの活動を行っています。
例年、5月に開催される総会で次の活動目的に沿った事業計画を決定し、分科会や青年部会、婦人部会、流通・需要拡大部会などでの活動を行っています。
また、毎年3回開催される理事会でも活動状況を審議しています。

<活動目的及び実施事業>

(1) 水源涵養、国土保全など環境保全機能を高める森林の管理・経営の推進
(2) 持続的な林産物の生産機能を高める管理・経営の推進
(3) 森林の自然生態系、生物多様性を維持する管理・経営の推進
(4) 森林・林業を通じた農山村地域の活性化
(5) 環境負荷の少ない循環資源である国産材の利用推進
(6) 森林、林業、木材利用の普及啓発
(7) 林業労働安全の確保と従事者の生活環境の向上
(8) 森林育成、素材生産、木材加工流通、金融・税制等に関する調査研究
(9) 上記各事業に関する研修会、機関紙の発行、関係図書の出版
(10) その他本協会の目的を達成するために必要な事業

平成30年度事業計画

平成30年5月14日に開催した総会・理事会において、定款第3条(目的)及び第4条(事業)に基づき、平成30年度は主に以下の活動を行うことを決定。

1、新年度活動方針 (榎本長治会長)

平成30年度の税制改正において、林業界長年の懸案であった森林環境税が実現する運びとなった。疲弊する林業の実態において、森林環境税のあり方は必ずしも我々林業経営の窮態を直接救うものにはなっていないが、国民の納める税金の直接的な目的税としてこれが成立していることの重要さを考えなければならない。すなわち国民の目が森林の在り方、その経営に注がれるということでもある。これとセットとして、新しい森林管理システムとして森林経営管理法案が国会に提出された。平成36年4月から住民税に上乗せされる森林環境税は、地方譲与税(森林環境譲与税)として各市町村に配分され、手入れが放棄されている山林を、市町村が肩代わりして公的資金でこれを行なうというものである。施業放棄山林と認定されたもののうち、採算に合うものと合わないものに区分けして、合わないものは市町村が公的資金で間伐等を行い、採算の合うものは「意欲と能力のある林業経営者」に林業経営を委託することになっている。しかし市町村が直接施業できるわけではないので、具体的な施業は民間事業者が担当することになる。そしてこれらは厳しい透明性が要求されることになる。
今回森林所有者の経営管理の責務が明確化されている。これによると「その権原に属する森林について、適時に伐採、造林及び保育を実施することにより、経営管理を行わなければならない」とされている。

この森林所有者の中で経営意欲の低い者の森林の一部を対象に、意欲と能力のある林業経営者に経営管理を委託していくと言うことであるが、林業経営者に関しては、平成30年2月6日付の林野庁長官通達においては「自己または他人の保有する森林において、事業主自身若しくは直接雇用している現場作業職員により又は他者への請負により造林、保育、素材生産等の林業生産活動を行っている経営体」ということになっており、我々日本林業経営者協会会員はその最も想定される経営体像に近いものである。ほかに森林組合、伐出業者等が想定されている。

この期待されている役割を果たすためには、様々な未確定な問題点も指摘されており、本年はこれらの具体化をめぐって、新制度と林業経営の現場の視点とのすり合わせが重要な課題である。

これまで我々は無垢製材品需要の拡大を強く主張してきたが、本年度予算において木材需要の創出・木材産業活性化対策として非住宅分野を中心としたJAS構造材(無垢製材品、CLT)の利用拡大事業が行われることになっている。具体的には非住宅分野で、無垢製材品のJAS製品を使用する建設業者に、㎡当たり約2,000円が支給される予定である。

これらを契機に非住宅分野での木造建築物が、無垢製材品で建設されるような運動が必要だと考える。木造建築を作る場合まず無垢製材品で出来ないかを考えようというムクファーストという運動をさらに進化させたいものである。例えば、「無垢ルネッサンス」という言葉はどうであろうか。ご存知のように中世のルネッサンス運動は文芸復興とも訳されているが、建築の世界においても高い教養と科学的知識を持った建築家が誕生しその後の建築に大きな影響をあたえた。我々は日本の木の文化の復興を意識し、無垢材の使用を現代的にとらえなおすという意味で、「無垢ルネッサンス」運動を展開できないかと考えている。

CLTにおける木材利用も各地で利用が始まっており、国産材の利用先としての成長が期待される。高層建築における木材利用を拡大するものとして、不燃木材としての集成材も開発が進み、住友林業が発表した70階建350mの高層ビルが大きなビジョンとして打ち上げられた。このような非住宅における木材利用の拡大策は、オリンピック後の住宅建築の落ち込みが予想される中で、我々の期待を担うものである。

木材輸出においては、中国向けの伸びが著しい。これに加え、本年8月には中国の建築規範の改正により、スギ・ヒノキ・カラマツの軸組み工法の建築が許可されることになっている。生活文化の違いから、急に拡大するかどうかは定かではないが、高所得者も増加している中で、国産材需要の一つの柱になりうる可能性を秘めている。

また、本年度予算で特筆すべきことの一つに、民主党政権時代に交付金化されたため、林業予算の枠外であった林道について、これらを再度林業予算の中に復活することで真に林業振興に必要な林道投資が実現できると、このことについても運動してきたが、「幹線となる林道等の路網整備を重点的に実施する」として、林業成長産業化路網枠として約80億円の予算で復活することができた。今後は、森林作業道、林業専用道、林業生産基盤整備道という区分となる。これらの具体的な運用も今年の課題である。
急傾斜地における伐出技術においても、無線操作の油圧集材機の開発が進んでいるし、森林総合研究所においても、架線系の研究が始められると聞いている。伐出と造林の一体化の方向もコンテナ苗の生産の拡大とともに進展するであろうし、造林育林の低コスト化の技術革新も必要とされており、より安価なポット苗や下刈りの省力化の科学的実証なども期待されている。またITやAI技術の進化により、今後の林業機械の技術革新には大いに期待するところである。

各地でバイオマス発電所や合板工場の立地が進み、供給可能地域の陣取りが進んでおり、B材C材利用は順調に進んでいるように見える。林業をめぐる情勢は相変わらず厳しいものがあるが、昨年からの米松の価格上昇や、ヨーロッパ材の価格上昇など、世界の木材需給が転換期にあるという認識を持つ人もいる。これらを踏まえ、本年も地道な前進の努力を積み重ねていきたいと思う。

2、部会活動

政策課題に関する部会は、次の6部会となっている。
① 需要開発部会   (担当:片岡明人副会長)
② 輸出部会   (担当:鎌田和彦副会長)
③ 優良材部会   (担当:田中善彦副会長)
④ バイオマス部会   (担当:藤元良一副会長)
⑤ 低コスト部会   (担当:佐藤久一郎副会長)
⑥ 政策PR部会   (担当:吉川重幹副会長)
需要開発部会 (片岡明人副会長)
平成29年度は総じて、いわゆる優良材ではないにしろ、ヒノキ、スギの乾燥無垢材も品不足から価格は高い位置を保ったようであるし、また国内合板、輸入横架材(RW、DF)の高騰などから、B材、C材の市況も良い状況で推移しできたと判断できる。これらは諸外国などの外的要因もあるが、国産材に対する全般的な追い風が吹いている状況を表していると思われる。これが消費税増税、オリンピック、景気政策の動向で今後どのような変化を見せるかを注視していくべきであろう。

そんな中で、平成29年度に実施した住宅メーカー各社への調査であぶりだされた、国産材に対する安定供給の不安の払しょくを一つのキーポイントとして考えたい。

昨今よく言われている、情報を媒介にしたサプライチェーンの整備(SCM)の必要性を感じるところである。(もちろん材を出すこと自体は新しい森林管理システム、森林環境税に依るところ大であろうが)

メンバー不足の感もあるが、今年度はSCMの実践例や、国産材の利用分野でのより深掘りした分析調査などを実施し、単なる話題提供だけでなく、会員の皆様が実際の事業展開に活かせる情報提供をできたら良いと思うところである。

また、変化の兆しの見える市況も的確に把握し、毎月の月例会でできるだけ生の状況を提供できるようにする所存である。
輸出部会 (鎌田和彦副会長)
海上運賃の高騰により、昨年度末にやや失速感の見られた国産材丸太輸出だが、海運市況に一服感が出てきたことで、今年度に入り再び活況を取り戻し始めている。平成30年度は通年で100万㎥を超えてくるものと思われる。製材品輸出についても、引き続き北米向けの杉のフェンス材需要が旺盛である。輸出部会では引き続き、丸太及び製品の輸出動向につき注目していきたい。
優良材部会 (田中善彦副会長)
優良材部会では、林業を元気にするには優良材(A材)の需要開発と、出来るだけ無垢材を使ってもらうことが重要との認識から、林野庁との勉強会などを通じて働きかけてきた。

その結果、本年度予算に於いて、非住宅分野で無垢製材品のJAS製品を使用する建設業者に㎡当たり約2,000円が支給される予定である。これを機会に会長が提唱している「ムクファースト」、更には「無垢ルネッサンス」の実現に向けて積極的に取り組んでいきたい。

この関連で、5月の総会前ではあるが、新年度の活動として4月20日には無垢材の普及に向けた新たな予算について、林野庁の担当課から説明を受けたところである。
バイオマス部会 (藤元良一副会長)
平成27年の国産材の自給率は、過去最低であった平成14年の18.8%から33.2%(2,492万㎥)にまで上昇している。

木質バイオマスの燃料材利用や合板利用が大きな要因であろうと考えられる。

木質バイオマス発電所も設定容量50万KWの内、現在は30万KW分の稼働が始まっている。更なる開設の為、これからは中山間地域振興や熱利用、小型発電機の利用へのシフトが現実化し始めている。

林野庁と経済産業省もそれぞれ3か所ずつ、6か所のモデル地域を設定し推進を始めている。

しかしながら発電所側の、燃料の集荷に対する不安は根強く、未利用材利用材積500万㎥/年の安定集荷のため、山側の小規模生産者の規模拡大が課題となっている。

課題への取り組みの為、路網整備・高性能機械の導入・運送トラックの増加による、1㎥当たりの事業コストの削減、1人当たりの事業量の増大、作業者所得の増収を図る努力が問われている。こうした課題への具体的な取り組み事例を部会等の演題として取り上げていきたい。
低コスト部会 (佐藤久一郎副会長)
資源の循環利用による林業の成長産業化が求められ、路網整備と主伐後の再造林対策が主要課題となっている。林業の低コスト化・労働生産性向上のために「木材搬出コスト低減させる路網」「(架線系も含めた)高性能林業機械」「施業集約化の効率化・省力化に向けたICT技術利活用」「コンテナ苗と一貫して行う再造林システム」「鹿害等病虫害対策」「人材育成」などが検討すべき課題である。

平成30年度の低コスト部会のテーマとして林道と林業機械に焦点を当ててみたい。森林作業道・林業専用道(10t積トラック等)・林業生産基盤整備道(20t積トラック等)と位置付けられた路網ネットワークの仕組みと活用に向けた検討を行いたい。また、林業機械の発達も著しいので、現在の世界の林業機械の動向と日本林業として求められている機械について議論してみたい。
政策PR部会 (吉川重幹副会長)
ここ数年「無垢製材品の需要拡大が、林業の復興に繋がる」という信念の元に、広報活動を継続してきた。従来、林野庁の政策は、造林、撫育、伐採・搬出の各工程でのコストの逓減が中心であったが、庁内にも我々の活動に対する理解者も増え、非住宅分野でのJAS無垢製材品の需要拡大に向けた予算も付くようになった。
無垢製材品の最大需要先である中小工務店に於いては、小規模の平屋・2階建て住宅建築では構造計算が必須でないこともあり、JAS無垢構造材に対する認識が薄いが、同政策により認識が深まればJAS材の需要が高まり、引いてはJAS認定を取得する製材会社も増加し「JAS規格の普及に繋がる」と考えられる。JAS規格普及と結びつければ、住宅分野のJAS無垢製材品へも予算が付く可能性があると考える。

一方、非住宅分野に於いては、公共建物を建築する際、木造化の検討が義務づけられた為、関連設計事務所では木造検討チームが設置されるようになり、途絶えていた木造建物に対する研究が進められている。フランスをベースに大規模木造建物を設計している坂茂氏や、新国立競技場の設計を手掛けている隈研吾氏などの登場により、木造建築が脚光を浴び、ブームになっていることは間違いない。また、経済界からもJAPICの「国民会議」など地方創生をキーワードに林業振興を支援する提言がなされており、3月末には、経済同友会地方創生委員会から、「地方創生に向けた需要サイドからの林業改革、中高層ビルを木造建築に」と題した提言が発表された。要旨は、「経営者自ら木の効能を理解し、自社物件に国産材を使う・単に鉄を木に置き換えるだけではなく、木を木らしく使用し木造建築でしかできない温もりのある快適なオフィスビルを創る・需要サイドから林業のグランドデザインを示す」などである。

行政、設計事務所のみならず経済界においても、国産材の需要振興・林業復活を望む機運が高まっているものの、一般の方々にまで浸透しているとは言えず、会長が提言された「無垢ルネッサンス」を前面にだし、今後とも「国産材を長期に亘り循環利用するには、無垢材の需要拡大が是が非でも必要である」ことを広く理解していただくための活動を継続しなくてはならないと考える。

3、青年部会・婦人部会活動

これまで同様に一般会員にも参加を呼びかけて、両部会主催でのセミナーや研修視察等を実施する。
住所・電話FaX等